ヤリチンになりたくて。⑴



なんで女遊びを始めようと思ったんですか?って聞かれたら、



悔しかったから。



と答えるのが僕、テス男です。



そうです、僕はコミュ症非モテの大学1年生。



経験人数は2人。



1人は、高校一年生の時、前略プロフィール(当時はプロフと呼ばれていた)で引っ掛けた同じ高校の女の子。



元彼とのいざこざがあった彼女を、タイミングよく引っ掛け、付き合うことができた。

会う前に、電話だけで付き合うことが確定したので、今思えばなんて意気地なしだったんだろうと思う。




一応、1年半くらい付き合ったが、部活動が忙しかったため別れる事に。



その後、僕はとあるスポーツでそこそこの有名人となり、ツイッター経由で1人の女の子と繋がる。



その子が2人目。



何故ネットばかりかって?



コミュ障だったから。



当時の僕には他に手段がなかった。


ネットで必死に女の子を漁っていた。



しかし成果はゼロ。




高校生3年生〜大学1年生という性欲盛んな時期に、僕はオナニーばかりして過ごした。



無駄にプライドだけ高く、根拠のない自信だけはあった僕は、この、『経験人数2人』という現実に耐えられなかった。



『俺とあろうものが、経験人数2人だと?そんなことあってたまるか。』



こう思ったのがきっかけ。



僕は部活小僧だったので、遊んでる友達はあまりいなかった。



女の子の話になっても、同級生は、



『俺は風俗なんて行きたくない』とか



『ヤリマンとなんてやりたくない』



などと言っていたが、僕は正直、風俗にも行きたかったし、エロいヤリマンとヤリまくりたいと思っていた。



しかし、そんな事は言い出せる訳もなく、自由度の低い生活を送っていた。



今思えば、周りの目など気にする必要はなかったのだが。。



極度のコミュ障で、人の目を気にしすぎる自意識過剰系男子だった僕は、大人しく過ごした。




しかし、時がたつほどに、眠れる意思は刻々と目を覚ます。




『ヤリチンになりてえ。』



これだけだった。



ただただ、ヤリチンになりたかった。




何故か?と聞かれたら分からない。



このままでは種の繁栄に悪影響を及ぼすであろうと、本能が判断したのであろうか。



それとも、勉強にスポーツ、なんでも学年でトップクラスにこなしてきた自分が、『女』については、無知で非力で、その辺のヤンキーより劣っているという事実に、怒りを覚えたからだろうか。



真意は今となっては分からぬが、僕はヤリチンになることを決めた。



その時から、僕のヤリチンを目指す旅が始まる。




しかし、ヤリチンになろうものにも、そもそも出会いがない。



学部に、死ぬほどチャラい先輩がいた。大学生で、100ゲットをしているイケイケだ。セックスも相当やり込んでいて上手いらしい。


ヤリチンを目指す僕は、すぐさまのそ先輩に助言を求めた。



僕『出会いがなくて。。』



先輩『「出会いがない。」は、行動してないやつの言い訳やで。』



僕『はあ。。』



グサッとくる言葉だった。



確かにそうかもしれない。



その日から、僕は行動に出る。


しかし、今のように街に出て声をかけるなんて、コミュ障の僕には論外。




最初に使ったのは、『斎藤さん』というアプリだった。



このアプリは、同じ時間にアプリを起動している人とランダムに繋がり、通話が出来るというものだった。



男と女の比率が7:3くらいであるので、男と当たるとすぐに通話を切り、女の子に繋がるのを待つ。



5回に1回。いや10回に1回くらいの確率で女の子と繋がると、僕はどうにか連絡先を聞こうと、後に繋げようと必死で言葉を紡いだ。



幸い、斎藤さんは通話アプリなので、顔を見合わせる必要はない。




緊張しいで、女の子に対してコンプレックスを持っている自分でも、どうにか会話をする事が出来た。



常日頃から、どんな奴がモテるのかというレーダーはビンビンに張り巡らせていたため、なんとなく、雰囲気は分かっていた。



明るく、面白く、自信満々で。



特に、電話だと、雰囲気やトーンだけで判断され、一瞬でもキモいと思われたら、電話を切られてしまう。



この点はナンパと非常に似ているのだが、



まず一言目のテンションが、『明るく、楽しそうな人』であれば、会話が始まった瞬間に通話を拒否される事がない事が分かった。



不思議なことに、一言目で、しっかりとした入りが出来れば、その後も続けて、『明るく楽しそうで、自信満々な人』を演じられるのであった。



勿論、自信などない。

ハッタリである。




コミュ障で、見た目も微妙。

女性経験も少ない。(家族の中の女性は母だけ。)


だったが、電話であればどうにか虚勢を保つ事が出来たのだ。



面と向かっていたら、こうはならなかっただろう。



僕は当時からオナニーのしすぎで、ジヒドロテストステロンの分泌が凄まじく、いわゆる『キモいオーラ』を発していたので、まるで自信がなかった。 



特に、人目を気にしすぎているのであった。



僕は、でかい図体の割に根っからの根性なしであり、常に人目に怯えながら生きていた。



しかし、恋愛においてはこの短所が、必殺の奥義となった。



常に人目を気にして、嫌われたくないセンサーがビンビンに立っていたため、




『相手の考えている事が分かる』



のであった。



自信のなさは、色々な要素が絡み合っていたが、その1つは、見た目コンプレックス。



僕は昔は自分のことをイケメンだと思って自信を持っていたが、高校の同級生に顔がキモいだのなんだの言われて、セルフイメージが地の底に落ちていた。



今のまま昔に戻れたら、ボコボコになるまでぶん殴ってやるところだが、当時はそんな事は出来なかった。



オナニーのしすぎで、非モテの精神が染み付いていたからだ。



しかし、電話越しであれば見た目は関係ない。



良い関係性さえ築いてしまえば、後はどうにかアポ取りをして、会い、イチャイチャしながらエロい方向に持っていく。



もしくは、電話の時点で、お泊りのアポを確定させたりしていた。



そんなこんなで、僕と斎藤さんは相性が良く(相当な数の失敗もしている)



1日に数件、連絡先を聞ける事も稀ではなかった。



斎藤さんをやる女の子というのは、


・出会い目的


・エロ目的


・暇つぶし



の3種類がいたが、なんだかんだそういった場に出現する女の子は出会い目的や、エロ目的の子が多かった。



そんなこんなで、1年間、ほぼ斎藤さんだけをやり続けて20人近くの女性と関係を持つ事ができた。




この斎藤さんで培ったトーク力と雰囲気は、今の僕の原点である。






ヤリチンになりたくて⑵ 初めての教室ナンパ


に続く。


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